パン作りは、安定した手さばきで進める化学のようなものです。ベーカーズパーセント計算機は、プロのパン職人が持つその感覚を、信頼できる数値に置き換えるための道具です。カップ計量を覚える代わりに、すべての材料を粉の総重量に対するパーセントで表すので、パンを一個焼く場合でも五十個焼く場合でも、生地をきれいに拡大・縮小できます。ベーカーズパーセントを理解すれば、プロ向けのパンやピザ生地のレシピのほとんどを読み、加水率や塩、イーストの量がすぐに分かるようになります。計量器に触れる必要もありません。
ベーカーズパーセントとは?計算式の解説
ベーカーズパーセント(ベーカーズマスとも呼ばれます)は、すべての材料の重さを粉の総重量に対するパーセントで表す方法です。一般的なレシピとは異なり、合計は常に100%を超えます。粉そのものが100%で固定され、水、塩、イースト、油脂、砂糖といった他のすべての材料が、その粉の重さを基準に測られるためです。この固定された材料の比率があるからこそ、レシピの拡大・縮小が確実になります。仕込む量を変えても、すべての比率は同じままです。
ベーカーズパーセントの計算式自体はとても簡単です。
$$\text{材料 \%} = \frac{\text{材料の重量}}{\text{小麦粉の重量}} \times 100$$
たとえば、レシピで粉1,000 gと水650 gを使う場合、加水率は\(650 \div 1000 \times 100 = 65\%\)です。この一つの数値だけで、ベーカーズパーセントの一覧表が一目で役に立つ理由が分かります。単位を換算しなくても、パーセントを見比べるだけで、まったく異なる二つのレシピを比較できるのです。
ベーカーズパーセントの計算手順
- すべての材料をグラム単位で量ります(メートル法なら、カップやオンスにつきものの曖昧さがなくなります)。
- 各材料の量を粉の総重量で割ります。
- 結果に100を掛けてパーセントにします。
- 粉の100%を含め、すべてのパーセントを足し合わせると、レシピ全体の総配合パーセントが求められます。
塩のパーセント、イーストのパーセント、生地全体の加水率など、どの数値を求める場合でも同じ手順で計算できます。いずれも、重さを粉の重さで割るだけだからです。
ベーカーズパーセントで粉が常に100%になる理由
ここでは、粉が他のすべての材料を測る際の基準になります。レシピで二種類の粉(たとえばTipo 00粉と全粒粉)を混ぜる場合は、それぞれの粉ではなく、合計した粉の重さが100%です。粉のたんぱく質含有量によって吸水量は変わりますが、パーセントそのものの計算方法が変わることはありません。
詳しい計算例を見る(粉700 g)
粉が700 gあり、加水率65%、塩2%、イースト0.3%の生地を作るとします。上の式を使うと、水は700 × 0.65 = 455 g、塩は700 × 0.02 = 14 g、イーストは700 × 0.003 = 2.1 gです。これらの重さを粉に足すと、生地の総重量は700 + 455 + 14 + 2.1 = 1,171.1 gになります。